時計の修理 ~クオーツ式時計 電池交換編~

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電気の力で動くクオーツ式(電池式)時計の止まってしまう原因や、電池交換についてご説明させて頂きます。

 

目次

1:時計の電池とは

2:電池交換の工程

3:電池交換の料金

4:まとめ

 

1:時計の電池とは

時計を動かす動力の一つとして、電気の力で動かすクオーツ式の時計は、経過年数と共に電池のパワーがなくなっていきます。

その結果、時計を動かすのに十分なパワーが足りず、時間の遅れや時計が止まってしまう現象が起こります。

再び、時計を正常に動かす為には、電池交換が必要になってきます。

時計に使われている電池は、すべて同じ電池ではありません。

例えば、時計の大きさがメンズやレディースのように大きさが様々なものがあります。また分厚い時計や薄型の時計など厚みも様々な種類があります。

乾電池で例えると単1と単3のような違いです。

時計の電池もこれに合わせて大きさや厚みなど大小さまざまなものがあります。

また時計の針が秒針、長針、短針と3つの針が付いているオーソドックスなものや、更に針の数が多いクロノグラフ(ストップウォッチ)の機能を持っているものもあります。

機能によって使う電気のパワーも変わってきます。

この為、時計の電池は用途によって使い分けられるので、およそ50種類以上あります。

 

2:電池交換の工程

電池交換の作業工程はどんな事をするのかをご説明致しますと、

1.竜頭の確認

時間を合わせるためのネジのような部分になりますが、まずここを確認してキチンと時間合わせの操作が出来るかを確認します。

操作が出来ない場合は、電池交換をしても時間が合わせられないので、竜頭の修理が必要になってきます。

2.裏蓋を開ける

裏蓋の開け方は主に3種類です。

はめ込み式

裏蓋自体が螺子のような、ねじ込み式

螺子での固定式

それぞれの用途に合わせて専用の工具を使い蓋を開けます。

3.裏蓋パッキンを取り外しグリスを塗る

汗などの水の侵入を防ぐために防水用のゴムパッキンが裏蓋またはケースに取付てあるので、防水性を上げる為にグリス(粘度の高い油)を塗ります。

4.裏蓋やケースの汚れの除去

裏蓋やケースの隙間には人間の皮脂や汚れ、汗による腐食の錆び等があります。

この汚れや錆び等が残っていると、時計の機械の内部に入ってしまい誤作動の原因となるので、綿棒などで汚れを除去します。

5.電池交換

電池は、衝撃等で飛び出さないように固定されています。

機械の+の端子がバネのような役割で電池を固定したり、電池の上に抑えの役割をするパーツが取付られていたりと固定の方法は様々な方法があるので、その都度正しい手順で電池を外し、新しい電池と交換します。

※電池を触る時には、指や金属のピンセットで挟んでしまうと放電してしまう恐れがあるので、ゴムの指サックやプラスチックのピンセットなどを使うようにします。

6.動作確認

電池交換後にキチンと動作をしたか、確認をする必要があります。

秒針が付いている時計は秒針が動き出したか確認

秒針がついていない時計は1分待って長針が動いたか確認

問題なく動いていれば裏ブタを閉める作業へ、動作していない場合は電池だけではなく機械のどこかに異常がある為、修理が必要になってきます。

7.パッキンを取付

3.で取り外した防水用のゴムパッキンを取付ます。

8.裏蓋を閉める

裏蓋を開ける時と同じように専用の工具で蓋を閉めます。

はめ込み式だけは、蓋を開ける時に使用した工具を使わず、手でパチンとはめ込むようにして閉めます。

しかし、中にはデザイン上や新品、手では閉めにくいものは専用の工具を使い裏蓋を閉めます。

9.時間を合わせる

時間の合わせ方は、1.で説明した竜頭を1段またはカレンダー付のものは2段引いた状態の時に、時刻の修正ができる状態になります。

この時に時報や時間が合っている時計を目安に時間を合わせます。

時間合わせをする際も、時計には注意する点があります。

まず時間を合わせる際には、必ず時計回りに針が動くように竜頭を回してください。基本的に時計は、時計回りに動くように作られている為、逆に回すと負荷がかかり部品を痛めてしまいます。

また、日付や曜日などのカレンダーを合わせる場合は、時計の長針と短針を時計の下半分に収まるように、まず合わせてください。

これは、時計の針の歯車とカレンダーの歯車がかみ合っている状態で、カレンダーの操作をしてしまうと、歯車のかみ合わせが悪くなったり、部品の破損等に繋がる恐れがるのを防ぐ為に必要な操作となります。

次にカレンダーを合わせる際に、竜頭を1段引いた状態の時にカレンダーの操作が可能になります。

この時に合わせる日にちを、初めからその日に合わせると午前と午後がずれてしまう場合がありますので、まず前日に合わせて下さい。

次に竜頭を2段引いた状態にし、時計の時刻を合わせる状態で針を時計回しに回していきます。

12時近くになるとカレンダーが動きだします。

12時になるとカレンダーが完全に切り替わります。

これで現在の時刻が午前0時と判別できた事になります。

あとは、午前と午後に気を付けて時間を合わせれば、電池交換の作業が完了となります。

以上が電池交換の主な作業工程となります。

時計の種類、裏蓋の開閉や汚れの度合い、電池の取付方や時間の合わせ方など、時計の状態によって更に工程は変わっていきます。

 

3:電池交換の料金

電池交換の料金は、一般時計の場合ですと、大体の目安としては、1000円~1500円くらいが平均だと思われます。

海外ブランド時計の場合ですが、よく「海外ブランド時計は電池が無いから出来ません。」「メーカーに出しての修理になります。」と言われたという方をお見掛けいたしますが、実際には駅近くなどにある時計屋さんで電池交換は可能です。

海外ブランド時計の修理作業をする場合は、一般時計よりも作業リスクが高い事を考慮すると、基本的には取り扱いたくないと判断する時計屋さんが多い為、その場では修理が出来ないと言われてしまう事になってしまいます。

技術的には、一般時計より少し難しいくらいなので、メーカーに出さなくても修理は可能となります。

その為、海外ブランド時計の電池交換を受付ているところでは、作業リスク分の料金が上乗せられる為、料金の目安としましては1500円~3000円くらいの料金が平均だと思われます。

作業時間としましては、どちらの時計もおおよそ10分~20分くらいが作業時間となります。

また、上でも書きましたが、時計の電池は50種類以上あります。

その為、使用している電池の種類によっても、電池交換の料金は変わってきます。

時計の状態や職人の個々の技量の違い、またはお店の混み合い状況によっては、作業時間や修理料金は変わってきますので、その都度待ち時間や修理料金がどのくらいになるか、時計を持ち込まれた際に確認されるのが良いと思われます。

 

4:まとめ

時計の電池はすべて同じものではなく、用途に合わせて使い分けられています。

時計の電池交換は、時計の種類やデザイン、構造が多種多様にあり、その構造毎に専用の工具を用いて裏蓋の開閉を行います。

裏蓋やケースに付着している汚れの除去や防水用のゴムパッキンにグリスを塗るなど、機械が誤作動を起こさない為の処置をしなければなりません。

電池を触る際には、指や金属のピンセットで触れないように注意が必要です。

時間を合わせる際に、正しい操作方法で時間を合わせないと、機械の故障の原因となってしまいます。

電池交換の料金は一般時計が1000円~2000円、海外ブランド時計が1500円~3000円くらいが目安ですが、時計や電池の種類、職人の手間の度合いによって料金は変わります。

2018/03/09 更新


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